消費増税目前、須高では

2014-03-29 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 消費税率が4月1日、5%から8%に引き上げられる。政府は給付金支給など消費を喚起する政策も打ち出しているが、今後の消費動向は不透明だ。本紙では、増税が地元でどう受け止められ、いかに対応しているのか、店舗と消費者の双方を取材した。
 須坂市八幡町のマツモトキヨシ八幡店(堀内宏輝店長)では、3月は売り上げ、客数とも2割増しという。増税を見越して、2月から同一商品を2つ買うと割安となる売り出しを行い、来店者はトイレットペーパー、シャンプー、洗剤、缶詰などを多めに購入しているという。客単価は2割増しで2,000円超。4月以降の売り上げを落とさないために割引クーポンをレジで配っている。現在の価格表示は税込み価格だが、4月からは本体価格と税込み価格の両方を表示する。仕入れは増やすという。
 堀内店長は「4、5月は売り上げが1割ほど減ることが予想されるが、6月からは戻るのでは」と話す。
 店内で買い物していた須坂市屋部町の70代主婦は「そんなに買いだめもできないし増税は困る。来年に向けてカイロも買った。ぜいたく品は高くてもいいが、食品などは減らせない。生活必需品には軽減税率を適用してほしい」、須坂市馬場町の40代主婦は「これまでも1週間まとめて必要なものだけを買ってきた。そのスタイルは変えない」などの声があった。
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 須坂市八幡町のマツヤ須坂西店(塚田寿文店長)でも保存が効くものを多めに買う人が目立つ。売り上げは例年の3月に比べて2、3割増えている。肉、魚などの生鮮食品は例年並みという。品物を切らさないように仕入れに気を付けている。
 塚田店長は「現在は内税表示だが、4月からはすべて外税表示にして、買い物客の便宜を図った。ただ4月以降は消費が冷え込む心配がある」と話す。
 高山村牧の70代主婦は「年金生活で収入が変わらないのに出費だけ増える。切りつめるしかない」、小布施町の60代男性は「買いだめはしない。需要が下がる6月以降の方が高価な物は安くなるかもしれない」などの声があった。
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 須坂市東横町のグリーンポートマツモト(松本恵社長)では3月は冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなどが例年の3倍ほど売れたという。駆け込みを見越して多めに仕入れたが、メーカーに在庫がない状態。太陽光発電機器の注文も多いという。
 松本社長は「増税に備えて、今は必要ないが購入するお客さんが多い。商品は間に合わないが、お客さんからは『3月の注文だから4月以降でも5%に』と要望される。その場合はこちらが負担することになると思う。予想以上の売り上げで、ムードはいいが、6月以降はどうなるか見えない」と話す。
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 須坂市幸高町の岩崎木材(岩崎雄一社長)は昨年秋から新築、リフォームの駆け込み需要があり、3月は例年の2〜3割ほど仕事が多い状態。また、2月の大雪で破損したカーポートや樋などの修理にも対応してきた。外壁材や住設機器などの資材が間に合わず不足している。現場は仕事に追われている。
 岩崎社長は「3月までの引き渡しを求められるが、材料がなく工事は遅れ気味。6月以降に反動が来るのではないかと心配。増税後も政府のすまい給付金などを活用すれば税負担は軽くなると思う」と話す。
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 須坂市内のガソリンスタンドでは駆け込みの給油が増えているといい、「給油量は例年に比べ1割ほど多い。ただ4月になれば車の使用を控え、5月の大型連休も遠出を控えるのではないか」と予測している。

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