須坂のカンナが世界の平和をつくる

2014-04-19 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市が平成7年度から始めた花と緑のまちづくり事業が20周年を迎え、14日、臥竜山公会堂で記念式典が開かれた。関係者や市民ら約370人が出席、花づくりに取り組む計130の団体や個人を表彰したほか、同事業のマスコットキャラクター「かんなちゃん」のお披露目、創作浄瑠璃作家橘凛保さんの記念講演などが行われた。式典には高円宮妃久子さまが出席され、お祝いの言葉を述べられた。

 高円宮妃久子さまは同事業の一環として平成15年8月に開催した全日本花いっぱい須坂大会に参加され、臥竜公園にカンヒザクラを植樹された。今回そのご縁で出席され、式典前にカンヒザクラを観賞。「早いもので植樹をしてから10年が過ぎました。元気いっぱい育っている姿を見て大変うれしく思います。花と緑のまちづくり事業の20周年をお祝いし、花づくりに尽力している皆様に心より御礼申し上げます」と、おことばを述べられた。
 式典で主催の実行委員会会長の三木正夫市長は「花づくりを通じて感性ある人づくり、ふるさとづくりに取り組んできた結果、現在市内の花壇・フラワーロードは100カ所を超え、信州須坂オープンガーデンも50カ所を超えている。今後も人々の心に花を咲かせ、明るく住みやすいまちづくりを進めていきたい」とあいさつ。
 表彰式では▽花のまちづくりコンクール参加者=59団体・個人▽コンテナガーデンコンテスト参加者=7人▽オープンガーデン参加者=35団体・個人▽花と緑のボランティア講座会員=22人▽花と緑のまちづくり協力学校=3校(須坂園芸高・東中・小山小)▽花づくりの講師=4人―の代表者に感謝状が手渡された。
 また、今回お披露目されたマスコットキャラクターの「かんなちゃん」は、カンナの花を平和のシンボルとして植栽活動を行っている「カンナ・プロジェクト」で最初に植えられた球根が須坂市仁礼町で花卉店を経営していた故田辺雅夫さん(平成22年に65歳で他界)が無償で提供したものであり、市内にも数多くのカンナが咲き誇ることから、須坂の花と緑のまちづくりの象徴として作られ、参加者から大きな拍手で迎えられた。
 記念講演はこのカンナ・プロジェクトを中心的に進めている橘凛保(たちばな・りほ)さん(東京都)が「須坂のカンナが地球の平和をつくります」と題して話した。
 橘さんは多数の写真を示しながら「広島に原爆が投下された約1カ月後、爆心地から820mにカンナの花が咲きました。広島平和記念資料館でこの写真を見てとても感動し、カンナで平和のバトンをつなぐ活動を行っています。長野県内の友人から須坂にカンナ街道があることを教えてもらい、市を通じて田辺さんと知り合い、賛同していただいて、多くの球根をプレゼントしていただきました」と経緯を紹介。
 続けて「この球根は翌春広島の小学校9校で植え、翌年には株分けして長崎・沖縄・東京・大阪にリレー、須坂にも里帰りカンナとして届けに来ました。現在では23都道府県の146校、海外でもフランス・バチカン・ベトナムなど10カ国で花を咲かせています。そのすべての始まりが須坂のカンナ。いま、カンナこども夢プランを進めていて、東京オリンピックでカンナを咲かせたり、球根をプレゼントしようと思っています」と話した。
 式典では高橋町女性有志による創作曲「花いっぱい花の町」の合唱なども行われた。

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