2014-05-24 09:52 am by 須坂新聞
太陽誘電モバイルテクノロジー(横浜市、須坂・所沢両工場)の親会社の太陽誘電(東京)は14日、東京都青梅市に今年4月に設立した「太陽誘電モバイルテクノロジー青梅事業所」に、須坂工場(須坂市穀町)と新横浜事業所を集約・機能統合し、通信デバイス事業の拡大体制を構築すると発表した。
同社広報部は19日の取材に「須坂工場は本年度末をめどに青梅に全面移管する。青梅は拡張性に優れているため。機能統合後、お借りしている須坂工場は(富士通に)返すことになる。新横浜事業所は未定。所沢工場(埼玉県三芳町)は補完機能として残す」と説明する。
太陽誘電モバイルテクノロジーの従業員は青梅を除く3事業所合計で500人強(太陽誘電広報部、今年3月末)。昨年3月時点では557人(同部)。須坂工場は昨年4月時点で約370人(本紙の取材)。須坂工場の現人員数を明らかにしない理由は、生産設備の規模や能力が同業他社等に伝わるのを防ぐためとみられる。
昨年7月30日の発表(日立製作所=東京=が青梅市に所有する土地・建物の一部を26年4月1日に譲り受けて新工場を設立)時点では、須坂工場の運用については決まっていないとしていた。
14日の発表後、太陽誘電広報部は「家庭の事情等で異動できない人には真摯(しんし)に対応したい。退職者に対する再就職支援も検討する」と話す。
青梅事業所は敷地5.6ha。太陽誘電モバイルテクノロジーの主力商品のモバイル通信用デバイス(SAWフィルタ等)などを生産する。スマートフォン市場への商品の安定供給や増産に当たり、須坂工場より広く、集約・機能統合のメリットが生かせるとする。
須坂市の三木市長は19日の記者会見で「移転は市として残念に思う。経済や雇用に影響が大きいが、市財政も深刻と捉えている。議会や商議所と相談し、存続を含め再度要望したい」と述べた。
昨年8月には市長、市議会議長、須坂商工会議所会頭が連名で太陽誘電に対し、須坂工場の存続を要望した。
市産業連携開発課は19日の取材に「従業員の雇用がどうなるか。市には相談・求人紹介機能があるので、ハローワークと連携し対応したい。情報収集もしていきたい」と話す。
須坂商工会議所の神林章会頭は19日の取材に「詳しいことが分からないのでコメントはできないが、当地の経済界への打撃・影響を軽減させられるよう、商工会議所として努めたい」と応えた。
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