オープン型処分場を提案〜広域と市が仁礼へ

2014-12-13 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 長野広域連合と須坂市は6日、最終処分場に関する説明会(仁礼町区民対象)を市老人福祉センターくつろぎ荘で開いた。区民80人が参加した。処分場は「総合的に判断しオープン型を採用したい」と提案。また、水処理は?埋め立て地内に降る雨は浸出水処理施設に集め、下水道に放流できる水質に?外周の雨水は防災調整池に一時貯留後、既存側溝に流す?埋め立て地の地下水は集水ピットを経由し既存側溝に流す―とした。
 埋め立て方式の比較で、クローズド型は高さ30m近い建物となり、造成工事で掘削量や残土量がオープン型の10倍近く多く、工期も長く、工事車両も多い。コンクリート構造物が残り、将来的に維持管理の課題が生じるため、地区全体の景観を考えるとオープン型が適しているとした。
 遮水工は、底面、のり面に遮水シートを二重に敷き、漏水検知システムを導入する。
 底面は現在の地面の上に保護マット、遮水シート、保護マット、遮水シート、保護マットを重ね、保護土(50?以上)を敷いてから埋め立てを始める。
 のり面はずり落ちないよう固定し、保護マット、遮水シート、保護マット、遮水シートを重ね、表面に遮光性保護マットを敷く。
 埋め立て工程は、埋め立て物や浸出水が流出しないよう、埋め立て地西側に土堰堤の貯留構造物(高さ4m)を築いてから高さ3.5mになるまで埋め立て、厚さ0.5mの中間覆土をしてならす。
 次の段は5m東側へ後退して土堰堤(高さ3m)を築き、高さ2.5mまで埋め立て、厚さ0.5mの中間覆土を行う。さらに2m後退して高さ5mの土堰堤を築いて段を重ねていく。最終覆土は厚さ1m。埋め立て開始前の高さは634m。埋め立て終了後の高さは661m(現況2段目平場に相当)。
 1日分の廃棄物は飛散を防止するため即日覆土とする。
 環境保全対策は他に埋め立てガス処理施設(ガス抜き、空気供給)での随時監視、騒音振動対策、周辺調和など考慮するとした。
 埋め立て物は?溶融スラグ(焼却灰等を1,300度以上で溶融、冷却したガラス状の固化物)?反応飛灰処理物(焼却施設の排ガス処理装置で消石灰を中和反応させて除去した物)?溶融不適物(金属、ガラス、陶器等)―の3種類。
 埋め立て処分を計画していた溶融飛灰は、今年2月の長野広域連合理事会で、資源化を基本とし、候補地へ埋め立てないことに決定した。埋め立て容量は最大16万㎥。期間は15年間。稼働目標は平成30年度中。
 一方、市は市費を主体とする地元振興事業素案を提案した。?処分場と集落間に緩衝緑地の整備、処分場北西にウオーキングコース整備と遊休農地への景観作物導入支援?道路の整備(拡幅改良)、集会施設整備、防犯灯整備、治山治水推進と町全体の暮らしやすさにつながる事業?活力ある地域づくりにつながる事業として地域資源を生かしたビジネスの支援―を挙げた。
 質疑応答では7人の区民が発言した。埋め立て物が舞う大気汚染の心配、遮水シートの耐久性や破損などの異常の心配、地下水汚染の心配―など。
 質疑は時間の関係で打ち切ったが、市は今後新たな区民からの意見や質問に対する回答をまとめ、区民に全戸配布する意向。また、市民には1月市報等で知らせるとした。

2014-12-13 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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