砂漠化防止植林で環境大臣賞〜緑化旅団・緑の大地

2014-12-20 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市の環境NGO「緑化旅団・緑の大地」(小林紀雄代表)は先ごろ、環境省「平成26年度地球温暖化防止活動環境大臣賞(国際貢献部門)」に輝いた。中国内モンゴルで平成19年から砂漠化防止植林プロジェクトを続けている。23年まで5年間は訪問して植樹。24年からは現地プロジェクト「金蓮川(きんれんせん)植林団」が継続する。1,600haにスナヤナギ44万本、ポプラ4千本、ニレ1万4千本を植えた。
 小林代表は須坂市議を昭和50年2月〜平成3年2月まで4期務めた。水不足が心配された平成6年に有志と須高地域の河川や湧き水を調べる須坂水の会を結成。同10年にはトヨタ財団の助成を受けて酸性水を調査。会の活動は同11年に「信州豊かな環境づくり県民会議」から表彰された。同12年には環境庁「水環境賞」を受賞した。
 さらに活動の目を海外にも開き、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、スイスの水環境調査に出掛けた。
 平成16年には中国内モンゴルへ水探検に。信大工学部大学院に留学していたナラスさん(内モンゴル出身)と出会い、ナラスさんのふるさとの草原の砂漠化調査を行い、支援のための「緑化旅団・緑の大地」を結成した。
 植林地は中国内モンゴル自治区シリンゴル盟・ショロンフフ(正藍旗)・バイヤボルク村。北京から北へ250?にある旗都シャンドホトから車でさらに北へ1時間半の村。
 昨年秋までの7年間に、日本からは延べ65人(19年から23年まで5年間)、ナラスさんの親族を中心とする現地の金蓮川植林団112人、村民403人、現地高校生188人が植林に参加した。
 現地では環境を意識する次世代を育てる教育支援として、図書の寄贈や教育を受けるために必要な寮生活費の援助も続けている。
 11日、市へ受賞報告した小林代表は「中電植樹券事業当選者のご協力などで苗木を購入し、活用させていただいた。支援の広がりの中で活動でき、うれしい。風が強く、砂が草原を覆う乏しい植生の中で牧草が生えている。広い草原の1点に木を植えたことは地球への小さな貢献。破壊は進むが、維持・保全の大切さを感じる。市の応援で栄に浴し、関係者と喜び合いたい。今後も温暖化防止に頑張りたい」と述べた。
 三木市長は「先を読むボランティア活動に感謝し、市も一緒に取り組みたい」と受賞をたたえた。
 副団長で参加する石月忠雄さん(長野市)は7日の取材に「リーダーの小林さんについて行った。民族や宗教で争いは起きるが、人々が住んでいる所は地球。それが壊れかけていて、何かお手伝いができないかと活動したことが多少なりとも認められた。鳥取砂丘のような所に緑が戻り、時間とお金をかけたやりがいがあった」。
 ナラスさんは「7年前に砂しかなかった所に緑が戻ってうれしい。日本の皆さんに感謝している。小さな一歩から始め、緑が戻ったことを現地の人に教えることがこれからは大事」と述べた。
 平成24年7月には感謝の気持ちを表す記念碑「日中友好林」が現地に建てられ、「日本人の森」と呼ばれ、守られているという。

2014-12-20 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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