2015-01-17 07:00 am by 須坂新聞
須坂市小河原町で12日夜、「小豆焼(あずきやき)」が行われた。焼いた小豆のはじけ方によって、農作物の出来や天候、世相などを占う新春恒例の伝統行事で、区民ら40人以上が公会堂に集まり、占いの行方を見守った。今年はリンゴやブドウ、モモの相場が上々などと出た。
小豆を焼く占いは江戸時代に伝わったとされ、かつては各地で行われていたが、戦後に多くが途絶えた。同町でも戦前までは各家庭のいろりを使い、持ち回りで行っていたが、戦争で中断。昭和32年に復活させたという。現在市内で行っているのは同町だけ。公会堂の大広間には専用のいろり(1坪)がある。
いろりの中で燃やした木炭の上に「かわらけ」と呼ばれる鉄製の小皿を置き、その上に小豆を乗せる。はじけたときの動き方によって「大極上々・上々・上・中・下」の5段階に判別する。
最初に明神様と戸隠様のご機嫌を、続いて米・リンゴ・ブドウなど農作物の出来や相場、雨や台風などの天候、景気の動向など約30項目を占った。
小河原町農家組合が主催。町内の小学生が神主役を務めるのが代々の習わしで、墨で口ひげを書いて神主に扮した児童2人が、小豆の動きを判別する判定役の丸山康男さん、判定結果を台帳に記す書記役の吉池宏美さんと共に行った。
吉池さんの「○○○○○(占う項目)、良くばお回り、悪しくばお回りなさるな」の掛け声に合わせ、児童が皿に小豆を2粒ずつ乗せると、いろりを囲んだ区民らも小豆の動きに注目。飛び跳ねたり、勢いよく回ると「これはいい」「一回転したぞ」「最高だ」などと喜んでいた。
吉池さんは「農作物は出来が悪くても相場が良いと出るなど、全体的にうまくまとまった結果になった。過去の結果を見返すと結構当たっていたりする。子どもたちが少なくなってきているなど問題もあるが、町の伝統行事として続けていきたい」と話していた。
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