2015-07-04 09:38 am by 須坂新聞
須高の74事業所・個人でつくる須坂警察官友の会(神林章会長)はこのほど、スザカ迎賓館で「治安懇談会」を開き、須坂警察署の山本貞雄署長が須高の犯罪と交通に関する治安情勢をテーマに講演、約50人が聞き入った。山本署長は深刻な事態となっている特殊詐欺について、被害防止になお一層の理解と協力を求めた。
特殊詐欺は今年5月末日現在、県内で109件発生、3億7,724万1,121円の被害が出ており、昨年同日に比べて、被害額は1億1,304万5,803円(23.1%)減少しているものの、件数は28件(34.6%)増加している。
県内の特殊詐欺は一昨年、昨年と被害額が10億円を超え、今年も過去最悪ペースで推移しているため、県と県警察本部は5月29日付で「特殊詐欺、ひとごとじゃない!」キャンペーンを開始、県民運動の推進や高齢者に対する集中対策に乗り出している。
今年の発生傾向として▽全体の40%がオレオレ詐欺(うち9割が息子がたり)▽新幹線沿線地域(長野・上田・千曲)で被害者が急増。石川・富山・新潟県でも急増▽特定地域における同窓会名簿や電話帳などを利用した前兆電話が急増▽現金送付型のうち宅配便を利用した手口が増加▽振り込め型はコンビニなど金融機関以外に設置したATM利用が増加―などが挙げられるという。
須坂署管内では5月末日現在で3件(1件は未遂)発生、合計200万円がだまし取られた。いずれも須坂市内で息子をかたるオレオレ詐欺に遭った。
さらに、6月12日には須坂市内での架空請求詐欺被害(被害額325,000円)を認知した。
昨年は1年間で4件だったが、今年は半年で同数となり、金融機関の窓口でも5月末日現在で3件(2,400万円)を阻止していることから、須高地区も特殊詐欺の脅威にさらされている実態が浮かび上がってくる。
また、県警が昨年特殊詐欺の被害に遭った190人にアンケート調査を行い、141人から回答を得た結果、92人が「自分はだまされない」と思い、このうちの68人が「特殊詐欺を見破る自信があった」と答えている。
さらに、141人中の51人が金融機関の職員から注意の声を掛けられたが、50人が注意を聞かずに被害に遭った。その50人に注意を聞かなかった理由を尋ねると、40人が「犯人の言うことを信じていた」という。
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山本署長はこれらの状況を説明した上で、「特殊詐欺は知っているが、ひとごとだと思っている人が圧倒的に多い。注意喚起にとどまらず、周知から体験へ、詐欺に気づいてもらう訓練や対策も考えていきたい。警察ではあらゆる機会を通じて犯罪や交通事故の防止に努めているが、安全・安心な地域づくりには皆さんのご理解とご協力が不可欠。なお一層のご支援をお願いしたい」と呼び掛けた。
2015-07-04 09:38 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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