本郷ため池しゅんせつ完了〜流域5ha潤す

2015-10-31 07:00 am by 須坂新聞

農業 icon 須坂市が所有し、本郷町区が管理する「本郷ため池」は、平成26年度土地改良施設維持管理適正化事業(農水省)を活用してしゅんせつ工事を行った。平成3年の大改修から24年がたつ。今回は、土砂しゅんせつ400立方メートル▽昨年11月から今年3月まで防水シート補修▽9月に簡易除塵(じょじん)スクリーン改良2カ所―を行った。事業費は910万円。財源は市が4割、県・国各3割。23日、神事後、フロートブイを設置した。
 ため池は戦国時代以前から築かれていたといわれ、「堤」とも称される。明治初期に現規模となり、昭和25年、48年、57年に部分改修され、62年〜平成3年に大規模改修された。
 貯水容量4,500立方メートル。取水・排水ゲート各1カ所。水源は、樋沢川から引水する四分堰(しぶせぎ、通称紫川)・六分堰(通称思い川)の末流、大蔵堰の末流、八木沢川。
 ため池からは、古川堰(延長250m、八木沢川からも取水)▽松の木堰(950m、同)▽大塚堰(1,420m)▽中堰(荒井堰含む、1,810m)―の四堰が流れ、戦国時代末期にはできていたといわれている。町内はほかに相森堰(1,450m)▽新堰(1,500m)が流れ、町内開水路は7,380m。八木沢川を含めると9,500mに達する。
 農業用水や生活用水、防災用水に利用され、流域5haを潤す。
 竣工(しゅんこう)式は、県土地改良事業団体連合会(設計)や相原建設(施工)、県長野地方事務所、久保田勝士高山村長、地元県議、日滝3町区長ら来賓、区民(区長、農家組合、隣組長)約60人が出席。神事は林秀盛蓮生寺住職が行った。事業に尽くした望月雄内県議(安曇野市)や三木市長、越吉広実行委員長(前市農業委員)が八つ設置するフロートブイのうち、三つを投入した。
 越委員長は竣工式や本郷研修センターでの祝賀会で「取り入れ口は細い水路2本から成る。ため池は昔は憩いの場で、昔から地区全体の水の要。松川扇状地の耕地は水に恵まれないので大切な水だ。多目的な役割を持ち、区民全体で維持管理に努めたい」と述べた。
 実行委員会は祝賀会を通じて「命を懸けて守ってきた水利権(明治29年の河川法成立前から認められる慣行水利権と法に基づき河川管理者が許可する許可水利権)を再認識し、先人の苦労を見直すきっかけにしてほしい」と期待した。
 なお、ため池は市内に5カ所(塩野町、豊丘上町2、竜ケ池、本郷町)ある。県内は1,940カ所(県長野地方事務所による)。

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