2016-08-27 07:00 am by 須坂新聞
須坂市仁礼町区は23日、昭和56年8月23日に同区の宇原川で発生した土石流災害の慰霊祭を、沿岸の災害復旧記念碑前で行った。災害発生からことしで35年を迎え、遺族3人をはじめ、区民など関係者約50人が出席して、故人の冥福を祈ると共に、安心安全な地域づくりなどを誓った。
慰霊祭は、半鐘が響く中、増沢秀誉高顕寺住職(仁礼町)による法要に続いて、出席者が焼香し、記念碑に向かって手を合わせた。
田中好人さん(68)は、母と祖母が避難しようとして、自宅付近で土石流に巻き込まれたという。「慰霊祭が市民の災害に対する意識の高まりにつながれば。個人の意識をより高める必要がある。そうすることで、万が一の時に救える命があると思う」と話した。
青木孝雄区長は「先日18日に、局地的豪雨の影響で宇原川が濁流となり、鮎川では石がぶつかり合う音がし、背筋が寒くなった。56災害を知らない世代が増えている。我々には後世に伝える責務がある」とあいさつした。
来賓の三木正夫市長は「56災害を忘れないために、須坂市では8月23日を『市民防災の日』にした。市や地域の安全安心のために今後も努力したい」と述べた。
「宇原川56災害」は昭和56年8月23日未明に、台風15号の集中豪雨の影響で、宇原川源流付近の斜面の一部が崩壊し、土石流が発生した。下流の集落を襲い、死者10人、重軽傷者20人、家屋の全半壊20戸、床上・床下浸水400戸以上のほか、田畑の冠水、山林の流出など、被害は鮎川、仙仁川沿岸にも及び、大惨事となった。災害復旧記念碑周辺には、流れ落ちてきた岩などが残されている。
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