キャンプ技術が災害に役立つ〜百々川緑地で防災フェス

2021-10-16 07:00 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon アウトドアライフスタイル推進協議会(山崎晶之代表)は先ごろ、須坂市百々川緑地公園で「防災フェス」を開いた。一般来場者は、新聞紙を使ったまき作りや空き缶アルコールストーブ作り、段ボール寝床作り、火起こし、ロープワークなどを体験した。「非日常のキャンプ経験が緊急時の対策にも役立つ」といわれる中、野外活動の楽しさを味わいながら体験を通じ、展示を参考に、有事の際の備えを高めた。
 ロープワーク体験は、ブルーシートを正方形に使った「シェルタータープ(避難所兼日よけ・雨よけ)」の設営に必要な支柱(棒や枝)とシートの一角を固定するロープの結び方や、支柱から地面までの長さが自在になる結び方を山崎代表から習った。
 山崎代表は「ロープワークも実践のキャンプでやればできるようになる。キャンプは楽しむものだが、万一被災した場合、キャンプ道具が役立つ。特別なことはしていないが、防災にもキャンプが役立つということを知ってほしい。そのためにいろんな技術がある。楽しみながら覚えるとキャンプも楽しくなり、いざというときにも役立つ」と語った。
 火起こし体験コーナーでは、キャンプ用ナイフを使ってまきを作る技術を指導者から習った。
 たき付けは、鳥の羽のように細木を削って作る「フェザースティック」を習った。
 着火材は麻ひも(3本から成る)のよりを戻し、1本を綿のようにまるめて作った。金属をこすって火花を出す着火用具の使い方や火のリレーを学んだ。
 指導は、日本ブッシュクラフト協会の認定ブッシュクラフター、田中洋満さん(46、飯綱町)。資格を取って3年ほどという。
 まき作り、たき付け作り、火起こしを初めて体験した山岸武瑠(たける)さん(小6)は「大変だったけど火がついてほっとした」。母親は「キャンプやいざというときに火起こし体験が役に立ちそう」と語った。
 キャンプ用品を自社の精密板金技術で作った伸商機工(須坂市塩野町、宮川岳洋社長)は、ほぼA4サイズで厚さ2cmに納まる組み立て式の「たき火台」を展示した。商品名「もえ太郎」。本体は重さ2kg、高さ23cm、幅25cm、奥行き30cm。10枚のパーツを組み立ててできる。まきの火と網の距離を2段階で変えることができる。
 本体は鉄、ステンレス製があり、価格は7,200円〜11,000円(税込み)。下に置くトレイ(灰の受け皿)は別売り。
 宮川社長は「ステンレスの端材を使ってキャンプ用に提案した。今年2月に商品化し、モニター販売で20台出ている。自社の技術を再認識できる」。
 また、まきストーブ「ぬく太郎」は、キャンプや庭先のバーベキューにも活用できる。ロケットストーブの原理を使う。
 2穴・煙突付属は高さ25cm(煙突を除く)、幅20cm、奥行き48cm。1穴・煙突付属は、同サイズだが奥行きは35cm。価格は63,000円と51,000円(税込み)。
 「アウトドアの楽しみの火起こしをしながら緊急時の力をつけることも期待できる。BCP(企業の緊急事態への事業継続計画)対策として自助の1、2日間頑張るためにも活用できる」(社長)
 コロナ禍の対策として、須坂経営革新塾の助言を受け、同社が加工技術の強みを生かして独自に作った。

2021-10-16 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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