2021-12-18 10:37 am by 須坂新聞
須坂市豊洲防災コミュニティセンターで9日、災害時の情報伝達手段の多重化・多様化を目的に、消防庁が取り組む地上デジタル放送波を用いた情報伝達の実証実験があった。同庁が今後の運用に向けて試作中の屋内戸別受信機を使い、基本機能を検証した。
同庁や市、情報配信元のテレビ信州(長野市)、実証実験を受託したフューチャーリンクネットワーク(千葉県)などの関係者が参加。戸別受信機の技術開発を担当する神戸市外国語大の芝勝徳(まさのり)教授が説明しながら進めた。
同センターの他、市区長会長、市消防団長・副団長(2人)宅にも受信機を置き、あらかじめ設定しておいた避難情報を放送した。
受信機の動作を確認したり、音量を2段階に分けて聞き取りやすさを比較。受信機に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取ると音声などでは伝えきれない詳細な情報が取得できたり、情報を聞き逃した場合でも録音内容を再生できる機能、グループごとの放送なども確かめた。
本年度の実証実験は東京、兵庫、長野(長野市、須坂市、軽井沢町)の計7カ所で実施。同庁国民保護・防災部防災課防災情報室の安達泰之情報管理係長は、運用を目指す中で「(本年度は)まずは技術的な実証、さらにはその実証を基に技術ガイドラインを策定したいと考えている」と説明した。
テレビ信州の白岩裕之社長は取材に「住民の命や安全を守ることはローカルテレビ局の大きな使命」とし、同社が実績を持つ地デジ放送波を使った情報伝達「ナローキャスト放送」は「防災情報の配信に適している。(住民が情報を得る)選択肢の一つになれるように」と語った。
同社にナローキャスト放送の技術を提供しているアトラクター(軽井沢町)も「既存の設備が活用でき、情報確保の手段としても有効」としている。
市総務課の山小忠久危機管理担当課長は「防災行政無線と連動できれば、より迅速に情報が伝えられるようになる」と、今後の発展に期待していた。
2021-12-18 10:37 am by 須坂新聞 - 0 コメント
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