【須坂市】市清掃センター(米子町)のごみ焼却施設を解体

2022-06-25 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は17日の市議会6月定例会一般質問で、2019年2月に稼働停止(20年8月廃止)した市清掃センター(米子町)のごみ焼却施設を解体し、跡地を災害時の車の一時避難場所として整備する方針を明らかにした。最大70台分のスペースを確保する計画。23年度中には解体工事に着手し、24〜25年度中の完成を目指す構想だ。西澤えみ子議員の質問に答えた。
 答弁した中澤正直副市長は「市としては今後施設を再活用する予定はないため、早期に設備の撤去や化学物質の検査を行い解体することを検討していたが、多額の費用が必要なため具体的な時期などは未定となっていた」と、経過を説明。
 解体後の跡地を活用して避難場所を整備することで「(国の財政措置が受けられる)緊急防災・減災事業債が活用できる見込みとなった。できるだけ早期に解体したいと考えている」と述べた。
 整備予定の避難場所については「特に千曲川の水害を想定している」と説明。千曲川が氾濫した場合、浸水想定区域の豊洲、日野、井上地域では約4,400世帯が避難対象になるという。19年10月の台風19号災害では、車で避難した住民が多く「避難場所確保に課題が残された」とし、「新たな車両避難場所を確保する必要があることから、最大で70台が避難できる避難場所として計画している」と答えた。
 避難場所には防災倉庫、簡易トイレスペース、照明設備などの設置を検討。災害から命を守るための一時的な避難場所にすることから、避難者が体を休める建物などの整備は予定していないとした。
 今後、補正予算を組み、ごみ焼却施設の化学物質の調査分析や解体にかかる設計調査を予定。現在も稼働している粗大ごみ処理施設を維持するための、新たな電力設備の移転設置工事も必要とした。
 中澤副市長は「23年度中には焼却施設の解体工事を発注、着手する予定だが原材料、半導体などの供給不足が深刻で全体的に工事に遅れが生じることも危惧される」とし、避難場所の完成は「24〜25年度中になる予定」と述べた。「工事費はおおむね10億円を想定している」とした。
 また、解体と跡地利用については、先ごろ地元米子町区の役員会で関係者に説明したことも報告。「解体はありがたい、とのご要望を頂いてきた」とした。その他、清掃センターへのアクセス道路(県道)の拡幅やトンネルの照明設置などの要望があったという。
 三木正夫市長は、車の避難場所について「少しずつでも用意しておくことが大事」と強調し、今後も他の場所で確保に努めていく考えを示した。
 ごみ焼却施設は1979年3月に竣工(しゅんこう)。長野広域連合の広域処理に移行するまでの約40年間稼働した。ともに鉄筋コンクリート造で、地上3階建て(建築面積約1,025平方メートル)の建屋と、高さ約50mの煙突がある。現在、清掃センターは、粗大ごみ処理施設で不燃ごみを受け入れている。他に管理棟を置く。

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