【防災キャンプ】小学生が皿もスプーンも自分で作り防災学ぶ

2022-08-06 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon アウトドアライフスタイル推進協議会は7月30、31日、一泊二日の防災キャンプを須坂小学校中庭で開いた。市内から26人の小学生が参加。宿泊のためのテント設営や食事に使う皿とスプーン作り、火起こし体験、新聞紙をまき(木質燃料)代わりにするペーパーログ(紙製の丸太)作りなどキャンプの知識と技術を楽しみながら身につけ、緊急時に備える意識を高めた。
 キャンプは衣食住や非日常の余暇を楽しむ野外活動。その知識と経験は、災害時にも役に立つ。実際に避難場所となっている学校をフィールドに電気やガスが使えなくなってもキャンプの技術や道具を使って身の安全を守ることができるよう体験を通して学んだ。
 牛乳パックを折って作る皿は、ラップで包んで使うと、水洗いをしなくてもラップを取り替えるだけで再使用ができるため水の節約になる。災害時は大変役に立つ。
 ペーパーログは、専用の円筒容器に水を含ませた新聞紙を筒状に丸めて入れ、丁字形押し出し棒で水を切り、乾燥後はまきとして使える紙製燃料となる。
 西沢春希さん(小4)は「初めてやってみた。(円筒形に)うまく形ができてうれしい。バーベキューに使える」と感想を語った。
 テントの設営は、中央地域づくり推進委員会(関谷哲夫会長)のメンバーがサポート。30分ほどで泊まれる空間が出来上がった。
 横谷心春(こはる)さん(小6)は「初めてのテント設営はハプニングも多かったけど楽しかった。災害に備え便利に使いたい」。
 野池蘭々(らら)さん(同)は「骨組みを立てたりいろいろ大変だった。災害時に家族やみんなを助けるために参加した。いろんな知識を学びたい」。
 横谷湊叶(みなと)さん(小4)は「暑くて苦労した。ほね組みがむずかしかった。日陰でやる方がいい。キャンプを楽しみたい」と取材に答えた。
 ロープワークは、ブルーシートを正方形に使うシェルタータープ(避難所兼日よけ・雨よけ)の頂点と支柱を固定し、ロープで地面から引っ張る力を自在に変えられる結び方のうち、支柱に結んで穴の大きさを調整する「エバンスノット」の伝達を小田達彦さん(市地域おこし協力隊)から受けた。
 ほどけない輪っかは「バタフライノット」(物をかけるために使う)と「モヤイ結び」(人命救助の際に腰を縛るなど)の結び方を学んだ。
 また、「アップルボックスプロジェクト」の一環で不要物を使って「防災グッズ入れ兼椅子兼テーブル」を作った。地域防災力の向上とSDGsの推進を図った。三溝清洋市中央地域公民館館長と祝井一幸さん(あっぷさいくる蔵部代表理事)が協力した。
 関谷会長は「コロナの関係でいろんなことが中止・縮小となるが夏休みくらいは集まれる場所を設けてやりたい。防災キャンプを市全域に広げたい」。
 アウトドアライフスタイル推進協議会の山崎晶之代表は「防災キャンプは生き抜く力をつけるため。大人も子供も助け合う。そのために、まずは自分が助かる。自助力をつけてから共助へ。災害は教科書通りではないので暑さの中で協力し、頑張ることを大事にしたい。体験を通して何かに気づいてほしい」と期待した。
 山崎代表の講習を受けた人が技術を伝達した。スタッフは16人が参加した。

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