2022-10-01 07:00 am by 須坂新聞
2016年リオデジャネイロ五輪男子50km競歩銅メダリストで、小布施町大島出身の荒井広宙(ひろおき)選手(34、富士通)が現役引退を発表した。9月24日、岐阜県岐阜市で行われた全日本実業団対抗陸上競技選手権1万m競歩のレース終了後に明らかにした。
荒井選手は25日の本紙取材に、「ここ数年はけがや不調で思うような結果が出せなかったこともあり引退を決意した。(決断にあたり)迷いや葛藤もあったが、最後はすがすがしい気持ちで終わることができた」と心境を語った。
小布施中で陸上を始め、中野実業高(現中野立志館高)2年の時に長距離から競歩に転向。福井工業大2年で競歩専門の指導者内田隆幸さんに師事し、力を伸ばした。
安定した歩型を武器に世界の大舞台で活躍した。リオ五輪では日本競歩界初の五輪メダリストに輝いた。世界選手権にも計4回出場し、17年ロンドン大会で銀メダルを獲得した。18年世界競歩チーム選手権では個人、団体で2冠を手にした。
19年には、約6年間在籍した自衛隊体育学校から富士通に移籍。自国開催の東京五輪出場を目指したが、かなわなかった。
近年は若手の台頭やレースの高速化、自身が得意とする50kmに代わる35kmの新設など取り巻く環境が変化。故障で満足に練習ができない時期もあり、代表から遠ざかっていた。
7位に終わった昨年4月の東京五輪代表選考会後には「このままでは終わりたくない。もう一回てっぺんに立ちたい」と意地をのぞかせていたが、復活は果たせなかった。
荒井選手は「現役中は多くの皆さまに応援していただき、たくさんの支えの中で幸せな競技人生を送ることができた」と感謝。今後については「まだ決めていない」と言うが、「自分らしい道を進んでいきたい」と話している。
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