下八町前山のフジバカマ園で子供たちとアサギマダラ68匹にマーキング

2022-10-17 08:29 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市立博物館は先ごろ、フジバカマを植えて管理する坂田山共生の森(坂田町)の蝶(ちょう)の里と、下八町前山のフジバカマ園でアサギマダラのマーキング調査をした。9月18日の坂田山は、飛来が確認されなかったため、急きょ前山に場所を変更して実施した。捕獲した10匹(全て雄)をマーキングして放した。前山2回目の25日は、58匹(雄44匹、雌14匹)を調査後放した。
 前山フジバカマ園は村石春信さん(下八町)が管理人。広さ約500平方メートルに秋の七草の一つ、フジバカマを植えて草刈りなどをして園内を整備している。
 「荒廃農地に花を咲かせようと始め、維持している。去年秋(花が咲いた後)には肥料をたくさん施した。今年は花が育ちすぎた。アサギマダラがたくさん飛来すればいいと思っている」
 暑さが続き、気温が下がらないためか、今年は例年に比べ飛来が少し遅れたようで、坂田山も前山も9月22日には多数の飛来が確認されている。
 25日の前山調査は18人(大人10人、子供8人、6家族)が参加した。子供は4歳の園児から小3まで。講師は田中裕義さん(昆虫愛好家)、長野自然観察の会の会員3人、大野智宏さん(市動物園ボランティアZOOポーター代表)。
 捕獲調査開始から1時間半後、虫捕りが大好きだという関正裕さん(小2)は本紙の取材に「初めて参加して7匹捕まえた。最初は1匹しか捕れなくて簡単ではなかった。(斜面の)高い所から見てあたりをつけてから見えるようになった」と感想を語った。
 博物館の木原奉文(ともやす)自然専門員は「他で捕獲(マーキング)された再捕獲はなかった。58匹の大きさ(前羽の先端から胴体までの長さ)は39mmから66mmと幅があった。これまでは大半が雄だったが、雌が4分の1と多かった。雄が出すフェロモンに雌が集まったのか。須坂で放したアサギマダラが今後、南方や西方へ移動して再捕獲されるかもしれないので楽しみにしている」。
 参加した子供たちは網の使い方に慣れて数多く捕獲し、調査に貢献した。「マーキングの際、チョウに触れる実感が何よりも大事。自然観察や体験を通じた成長の一助になればうれしい」(専門員)
 移動するアサギマダラは、おととし12月10日には沖縄県八重山郡与那国町(与那国島)で捕獲された。坂田山で9月13日に捕獲され、88日間で1,995kmを移動した。
 昨年11月13日には鹿児島県大島郡龍郷町(たつごうちょう、奄美大島=あまみおおしま=)で再捕獲された。坂田山で9月11日に捕獲され、途中10月7日に広島県三次市(みよしし)で再捕獲され、奄美大島へ。奄美大島までは37日間。770kmの移動。

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