須坂と高校生がつながる拠点の学習施設完成

2023-02-18 10:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市地域おこし協力隊の井上陽介さん(29)と市内の高校生が連携し、高校生の居場所づくりや地域交流の拠点づくりに励んでいる。先ごろ、高校生が中心となって須坂市立町の空き家を改修した学習スペース「coto²(コトコト)」が完成した。4月からの本格的な運用を目指し、2月13日にプレオープン。高校生が自ら施設の運営や管理にも携わる地域の新たな交流の場が第一歩を踏み出した。
 井上さんは市内の高校生から「部活後に校外で勉強する場所が少ない」「さまざまな世代や地域と関わる活動がしたい」などの声を聞き、2021(令和3)年12月に有志の高校生と「Let's try project(レッツ・トライ・プロジェクト)」を立ち上げた。22年2月に一般社団法人「信州古民家再生プロジェクト」を創設し、高校生と連携した活動を本格的に始動させた。
 市役所の近くにある空き家だった木造2階建ての4軒長屋のうち、1軒を井上さんが購入。他2軒は借用している。空き家の改修は高校生を中心に週末や学校の長期休み、放課後などで行った。地元企業や業者の指導を受け、地域の人たちも協力した。
 1階は会話をしながら勉強ができるグループ学習向けスペース。ホワイトボードやプロジェクターなどもあり、ミーティングや学習スペース以外の用途でも活用できる。
 2階は個別学習に特化していて、隣の席との仕切りがある「個別学習ブース」と古民家カフェのような開放的な雰囲気をイメージした「個別オープンスペース」がある。1、2階合わせて約50席でWi-Fi完備。初日から多くの利用者が訪れ、自主学習に精を出した。通常は高校生のみに利用を限定するが、週末や長期休みなどを利用して、1階を使った高校生と地域の人が交流できる催しなども検討している。
 SNSを通じて活動を知った沼田豊輝さん(須坂創成2年)は「他校の生徒や地域の人たちと関わる中で成長したい」と参加。「さまざまな視点や考え方を学べる」とし、自習スペースを活用して「それぞれの進路や目標に向かって、刺激し合いながら頑張りたい」と話していた。
 井本涼菜さん(須坂1年)は「高校生だけではなく、高校生と地域の人たちが交流できる場所にもしていきたい。須坂の歴史や文化などを学べるワークショップなどを計画していきたい」と意気込んでいる。
 活動に初期から参加していた金丸世羅さん、荒井美南さん(ともに須坂3年)は「貴重な体験をさせてもらえたので、これからの人生に生かしたい」と語った。施設の本格的な運用は卒業後になるが「長く地域で親しまれる施設になってほしい。施設の完成で終わりにせず、次の世代に活動をつないでほしい」と後輩たちにエールを送った。
 学習施設の隣は来春から、地元企業と高校生が協同して開発した菓子などが楽しめる「高校生カフェ」の営業も予定している。
 プレオープンは3月31日まで。平日午後3時〜9時。利用無料。市内校の在学生、市内在住の高校生のみ。一般の見学は平日午前で対応(要予約)。☎090-5315-2166(井上さん)。

2023-02-18 10:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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